判決が言いわたされる前に、和解の提案があります
「少額訴訟」の裁判が終わると、20~30分後には判決が言いわたされます。原告・被告双方の言い分や証拠などを総合的に評価して裁判官が判決をくだすのですが、たいていの場合は判決前に和解の提案があります。
和解とは、裁判官から支払い条件の提示があったり、当事者が納得できる金額や支払い方法が提示されて、それらをもとに協議が行われ、当事者双方が合意すればその合意が裁判所の決定となる制度です。
和解も裁判所の決定ですから、判決と同様の効果があります。そして、どうしても和解に納得がいかなければ判決を求めるという流れになるのです。被告への支払いを命じる判決や和解が成立したとしても、任意に支払いが実行されない場合も考えられます。そんなケースでは、被告の給料や財産を差し押さえ、給料の差し押さえの場合には法的に決められた限度額の支払いを受け、財産の差し押さえの場合には強制的に売却がなされて支払いを受けることができるのです。
つまり“強制執行”による、原告救済の手段ということ。けれど被告=債務者の意思に反して執行される法的手段ですから、必要最低限の範囲でなければなりません。「少額訴訟」は簡易であり、原告・被告双方の事情を斟酌した民主的な裁判だといえます。