強制執行によらず、スムースに金銭が返ってくる制度

 

(4)の特徴は分割払いや支払猶予の余地があるもので、裁判所は被告の経済力やその他の事情を考慮して、必要があると認めた場合は判決言いわたしの日から3年以内の範囲で支払猶予や分割払いを命じることができます。これは、強制執行などによらず被告の任意的・自発的な支払いを期待できるように、という配慮からなのです。

 

法律にも“情”があるんですね。支払い猶予の内容は、
★3年以内の範囲で支払期限を定めること=一括払いですが、ただちに支払うのではなくたとえば平成○年○月○日までにといった内容
★3年以内の範囲で分割払いの定めをすること=たとえば2万円を10回支払うというような内容の判決
★支払い期限の猶予と併せて訴え提起後の遅延損害金を免除する旨を定めること=一括または分割の支払い判決にしたがって全額を支払った場合は、訴え提起後の遅延損害金を免除して被告が最後まで任意的に弁済することをうながし、支払いの実行性を高める目的、の3点。

 

(5)の「少額訴訟」利用回数の制限がもうけられたのは、金融業者や取り立て業者などの金融専門関係の事件をできるだけ制限し、一般市民による「少額訴訟」の利用が妨げられることがないようにという法的配慮からです。