「少額訴訟」とは、どんな仕組みの訴訟でしょうか

 

「少額訴訟」とは、その名前のとおり少額の金銭トラブル・紛争について、紛争額に見合った時間と費用、労力で解決をはかることができる簡易な裁判手続きです。だから、手続きをできるかぎりスピーディにし、一般市民にも利用しやすいようさまざまな特徴をもっているんですよ。

 

その特徴とは、
(1)60万円以下の金銭の支払い請求にかぎられる
(2)原則として1回の期日で判決が言いわたされる
(3)証拠調べに通常訴訟にはない制限がある
(4)分割払いや支払い猶予の判決を言いわたすことができる
(5)同一年に10回を超えて利用することはできない、などとなります。

 

ひとつひとつの特徴についてさらに詳しく説明すると、(1)は請求の目的額が60万円以下であっても以下のような場合は訴えは認められません。

 

★賃料不払いなどを理由とする、土地や建物の明け渡しの訴え、
★自己の土地上に置かれた廃棄物の撤去請求や騒音防止など、相手にある一定の行為を求めたり、行為の中止を求めたりする訴え、
★払ったはずの借金を再度請求された場合などに、借金がないことを裁判所に証明してもらう訴え。
60万円以下の金銭支払い請求であれば、同じ相手に対する複数の債権を一度に請求することは可能です。